仕事と介護-私の両立術

介護と仕事の両立は大変な挑戦ですが、雪笑さんは両親との時間を大切にし、柔軟な勤務体系に変更しました。また、パラレルワークを学び、収入の確保にも成功しています。家族と協力しながら自分なりの介護を実現しようとする彼女の取り組みには、どんな工夫があるのでしょうか。その方法について、詳しくご紹介します。

雪笑(50代) 主任介護支援専門員で居宅介護支援事業所に勤務
家族: 夫と長男
要介護者:両親(別居)


毎日の介護の流れ

要介護者である実の両親は、車で5分の距離に別居しています。
毎朝両親の家に行き、朝ごはんの準備をして、その後片付けをします。これが私の一日の始まりです。お風呂に入る前には入浴の準備を整えて、終わった後には後片付けも忘れずに。掃除や洗濯も日々のルーチンとしてやっていて、夕方には決まった時間に一緒に買い物に出かけるのが日課です。買い物から帰ってきたら夕ごはんの準備をして…と、一日の終わりまでサポートしています。

家族のサポートと仕事のバランスの難しさ

あるとき、母が寂しがって勤務先に何度も電話をかけてきたことがありました。そのたびに他のスタッフに迷惑をかけてしまうのが本当に辛かったです。私は介護支援専門員として、居宅介護支援事業所に勤務していて、利用者さんのサポートをする立場なので、どうしてもその時間帯に集中しなければならないことが多かったのですが、母のことで気が散ってしまうことがありました。さらに、夫が単身赴任中で、長男も一人暮らしをしていたので、私自身も寂しい気持ちになってしまって、仕事との両立がうまくいかないことがありました。

パラレルワークで収入を確保しつつ介護もサポート

仕事との両立のために、まず時間の融通が利く勤務体系に変えました。それと、夫や長男にも今の状況を隠さずに伝えて、しっかりと情報を共有するようにしました。その結果、収入は半分になったものの、その分パラレルワークを学んで、現在は3箇所から安定した収入を得られるように。将来は独立し、更なるステップアップを目指しています。
このように時間管理がうまくいくようになったおかげで、自分の心が安定しました。また、両親も決まった時間に支援を受けるようになり、寂しがることが少なくなっています。それに、子供に迷惑をかけないように、庭の草取りや片づけを自分から進んでやるようになり、協力して取り組むようになりました。

「やり切った」と思える介護のために大切にしていること

介護って、いつまで続くか分からないから、育児のように完全に専念するのはダメだという意見をよく耳にします。でも、他の人と意見が違うかもしれませんが、私は「育児と仕事」の両立と「介護と仕事」の両立は、同じように大切だと思っています。なぜなら、自分が大事にしている時間を両親と少しでも毎日共有することで、家族全体が一つにまとまる感じがするからです。

介護もいつか終わりが来るので、その時に「やり切った」と思えるよう、自分の体調管理には気をつけましょう! 無理をしすぎず、自分の心と体を大切にすることが重要ですよ。私はヨガとピアノ演奏で心のバランスを保ち、リフレッシュするようにしています。

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