【第5回】働きながら向き合う親の介護 WEBライターと介護の両立を目指して!

こんにちは、新人ライターのmarcoです。これまで4回にわたり、認知症の母の介護と仕事の両立についてお伝えしてきました。今回もその続きをお話したいと思います。
新天地での生活は、やるべきことに追われる毎日でした。引っ越しの後片付け、母の施設入所、そして私の仕事さがしと、慌ただしく時間が過ぎていきます。 まずは、介護施設に入居した母の様子をお伝えし、その後、私の就活について綴っていきたいと思います。
どこまで歩くの?お母さん!
母が無事施設入所できたことは、移住における最大の成果でした。
これまで仕事を終えてからの夕食作り、入浴介助、夜間対応が大きな負担となっていたため、その負担から解放され、ほっとしました。母は当時、自立歩行ができており、フロア内を歩き回る姿に介護士の方々から「お元気ですね」と報告を受けて私は安堵していました。
しかし、その歩行時間は想像以上に長く、昼夜問わずほとんどの時間、杖を片手に歩き続ける状態でした。担当医師からは、落ち着かせるために精神安定剤の服用を勧められましたが、私は同意できませんでした。過去に薬の影響で幻覚や妄想症状が悪化したことが頭から離れなかったからです。
そんな折、恐れていた歩行中の転倒が発生し、大腿骨骨折で手術を受けることに。3週間の治療で退院したものの、入院中に認知症が進行してしまい、会話はほとんどできなくなりました。さらにその後腸閉塞を発症し、身体機能はますます低下。食事、排せつ、歩行とすべてに介助が必要になる状態となりました。精神安定剤を服用させることを躊躇していた間の出来事だけに、悔やまれてなりません。
ハローワークで見つけた転職のヒント
母の入院などで慌ただしい日々が続き、仕事探しは思うように進んでいませんでした。その時、たまたま立ち寄ったハローワークで目に留まったのが、「ハロートレーニング」の案内チラシ。eラーニングで受講できる求職者支援訓練で、「地域で活躍できる広報担当者養成」を目的とした講座でした。
講義内容は、WEBライターやサイト制作者、SNSなどの広告運用などの実務者育成が中心です。
約3ヶ月間の受講を経て、無事に卒業。ある程度の技術は取得できたものの、「自分はどう進むべきか?」と消去法で選択肢を考えることに。
未経験だったサイト制作や広告運用は、eラーニングだけでは実務に挑む勇気をもてませんでした。一方、会社勤務時に毎日のように報告書や提案書など多くの文書作成をしていた経験から、「ライティングなら挑戦できるかもしれない」と希望が芽生えました。それが、WEBライターを目指した理由です。
フリーランスで働くということ
ハロートレーニングを卒業してから、気づけば数年が経ちました。個人で仕事をするということは会社勤務とは違い、仕事に関わるすべてを自分でこなさなければなりません。組織に縛られない自由な働き方に憧れてはいましたが、その分、責任の重さを実感しています。
仕事探しから収支の計算、確定申告まで、すべてが個人事業主としての業務。最初はなかなかトライアルに合格できず、採用に至らないことが続きましたが、少しずつ仕事をいただけるようになりました。まだまだ新米ライターなので、慣れない業務に追われ、徹夜することも。しかし今は、何より経験を積み、実績を築いていくことが大切だと感じています。
また、収入が安定しないこともフリーランスの厳しい現実です。そのため、副業の必要性をよく指摘されます。幸い、私の地域には果樹農園が多く、繁忙期には短期バイトの募集も豊富です。デスクワークと違い、慣れない仕事に戸惑うこともありますが、青空の下で働く爽快感は新鮮なもの。仕事を複数することは脳トレにもなるはずだと自分に言い聞かせながら、日々奮闘しています。
まとめ
これまで、母の認知症介護と仕事について5本の記事にまとめてきました。書き進める中で、当時の介護状況が走馬灯のようによみがえります。そこで感じることは、「あの辛さや苛立ちを周囲の人の支えにより乗り越えたからこそ、今の穏やかな自分があるのだなあ」と。
これからも母の介護に寄り添いながら、仕事のステップアップを目指していくつもりです。
そして次回は、介護を続けるなかで感じた、「日本の介護事情とその課題」をお伝えし、この連載の締めくくりとする予定です。どうぞ最後までお付き合いください。

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