【第2回】仕事を守る在宅介護―往診と訪問看護に支えられて

こんにちは。
私は自営業をしながら、90歳の父を自宅で介護し、その後、施設入居に至るまでを経験しました。
ひとり親として双子を育てる中で、仕事と介護をどう両立させるかは、常に大きな課題でした。

今回は、在宅介護を続けるために工夫したケアプランや、往診・訪問看護などの医療サービスに助けられた経験についてお話ししたいと思います。

仕事を守るために組み立てたケアプラン

ケアプランを作成する際、本人の必要度はもちろんですが、私の仕事時間の確保も念頭に置いて考えました。

当時の父は脊髄損傷で歩けなくなっていましたが、認知能力は十分にありました。働くのが当たり前だった父にとって、仕事をせずにじっとしているのは相当つらいことだったのです。
そこで、日中に父の相手をしていただけるよう、日曜日以外の週6日、何らかのサービスを入れて、父が退屈しないようにしました。そうしなければ、何かと私が呼ばれてしまい、仕事にならなかったからです。

父が利用したサービスも、介護度や季節によって柔軟に変更していきました。その中で、特に重要度の高かったサービスについて記載します。

往診という選択がもたらした安心

20年前にお世話になった介護用品の担当者から強く勧められ、躊躇していた私も医師に往診をお願いすることにしました。プロが言うだけあって、これは本当に正解でした。

往診は、介護度が高い方には絶対におすすめします。暑い日・寒い日・雨の日・雪の日を考えると、父の身支度を整え、病院へ連れて行くだけでも一仕事です。介護者(私)だけでなく、本人にとっても移動の負担は健常者が考える以上に大きいのです。

予約をしていても待合室で待たされることがあり、それを見越してオムツやお尻拭きなども背負っていきました。
小さなエレベーターで車椅子しか乗せられない場所もあり、挟まれそうになりながら乗り込んだこともあります。これまでかかっていてカルテがあっても、エレベーターのない病院は諦めざるを得ませんでした。

医師の往診と訪問看護をそれぞれ隔週で入れ、毎週コンスタントに医療関係者がバイタルチェックをしてくださることで、重篤になる前に対処することができました。
医師と看護師の間で情報共有もなされるため、突発的な状況にも見事な連携プレーで対応してくださいました。

訪問看護を開始して間もなく、深夜にタクシーで駆けつけていただく事態も起こりました。幸い大事には至りませんでしたが、看護師で対応できないと判断した場合は、専門家同士の話し合いにより医師がすぐに向かう体制が整っていました。

往診のスケジュールがタイトで医師には聞きにくいことも、比較的時間にゆとりのある看護師さんにはいろいろ教えていただきました。

医療者の寄り添いが、介護者を救う

もう一点、特記すべきことがあります。
父がお世話になった医師は、介護する家族にも寄り添ってくださいました。

実際の生活の場を直接見ているからこそ、状況を正確に把握できるのだと思います。

父の部屋のすぐ前がトイレなのですが、辿り着く前に漏らしてしまい、一晩で深夜3回、パジャマ・シーツ・布団カバーを総取り替えしたことがありました。私は疲れ果て、自然と涙があふれました。

直後の往診で医師に訴えると、即座にカテーテル対応にしてくださいました。これでおしっこの悩みは一気に解消し、便対応のみに軽減されました。

これは介護者にとってどれほどありがたかったか!
負担軽減は計り知れません。

20年前に母を介護した経験から、リハビリの重要性は十分認識していたため、当初から訪問医に依頼し、専属の理学療法士によるリハビリを週2〜3回入れました。

この先生から教わったことは日々の生活に直結し、私自身の大きな学びにもなりました。
誰よりも父(だけでなく、この家全体)のことを、感情面も含めて理解し、柔軟に、時に厳しく、時に優しく対応してくださいました。

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