【第2回】夫の介護と子育ての合間に、私が選んだ働き方~重度訪問介護ってどんな制度?~

40代の夫を介護しているゆみこです。今回は我が家で利用しているサービスである重度訪問介護についてお話ししようと思います。
重度訪問介護とは?制度の概要
介護サービスには高齢者に対するサービスである介護保険制度の他に、障害者に対する障害福祉サービスというものがあります。幼児や小中学生、高校生の放課後等デイサービスも障害福祉サービスになります。
重度訪問介護とは、肢体に重度の不自由があることで日常生活に介助が必要な方や、精神的もしくは知的な障害を持っている方に対する、公的な障害福祉サービスです。介助を必要とされる方であっても住み慣れた自宅で自分らしく過ごしていただくことができるよう、ヘルパーが訪問介護を行うことができるような仕組みになっています。
サービス内容は介助が必要な方の日常生活全般のサポートです。身体的な介護はもちろんのこと、家事の支援、外出のサポートなど内容は多岐に渡ります。障害のある人が子育てをする場合には育児支援が含まれる場合もあります。
一般的な訪問介護と異なり、重度訪問介護は長時間のサービス提供を想定した制度ですので、1回のサービスの時間は3時間から12時間程度となっています。また、重度訪問介護が訪問介護と大きく異なる点は、「見守り」の時間があることです。
重度訪問介護制度で支援の対象としている人は以下の通りです。
● 障害支援区分が4以上
● 二肢以上に麻痺等がある
● “支援が不要”以外の認定もしくは12項目の行動関連項目の合計点数が10点以上
など
見守りが重視される理由と支援の実際
特に肢体に不自由がある方に必要とされる介護は、医療ケア(吸引や口腔ケア)や、身体介護(排泄や更衣の補助)が中心になってきます。そのため重度訪問介護では、肢体不自由の方を見守り、必要に応じて手を差し伸べるという介助サービスが求められます。
肢体に不自由がないクライアントの場合でも、見守りはとても重要な介護サービスです。精神障害により他害・自害の恐れがある場合や、幻聴・幻覚による異常行動が見られる場合には、それを防ぐための見守りと、必要に応じた医療機関との連携が重度訪問介護の役割となります。
あくまで重度訪問介護は障害のある方の意思と自立を尊重し、障害のある方とご家族が地域社会の中で暮らしやすいようにサポートしていくサービスです。その特徴こそが、見守りという支援形態であるといえます。
まとめ
我が家でもこの制度を活用して、夜間の介護や見守りをお願いしたり、家族で外出する際にもヘルパーさんも一緒に外出しています。介護が必要になっても自宅で生活することが可能な制度として、ぜひ知っていただけたらと思います。

合わせて読みたい
【第1回】夫の介護と子育ての合間に、私が選んだ働き方~自分のペースで働く~
https://ryouritsu.c-mam.co.jp/archives/person/627
介護保険を知る・使う・活かす!サービスの利用方法を完全解説
https://ryouritsu.c-mam.co.jp/archives/column/262
仕事と介護、子育てを両立した10年の経験から
https://ryouritsu.c-mam.co.jp/archives/person/68