生まれたその日から始まったケア。それでも在宅ワークを続ける理由

医療的ケアが必要な二人の子どもを育てながら、不定期で在宅ワークを続ける「ちこ」さん。子どもたちが生まれてすぐに始まった介護は、今では暮らしの一部になっています。
限られた時間の中で仕事と向き合い、家族の支えを受けながら歩んできた日々とは――。介護と仕事を両立するリアルな毎日や、前向きに続けるための工夫についてお話を伺いました。

ちこ(40代女性)主婦・不定期で在宅ワーク
要介護者:子ども2人
子どもが生まれてすぐに始まった介護
私が介護と向き合うことになったのは、子どもたちが生まれてすぐのことでした。
2人とも出生後すぐに入院し、それぞれ4か月ほど病院で過ごしました。
3歳になる上の子は生まれつき便が出なくなる「ヒルシュスプルング病」の手術後、浣腸と服薬で排便コントロールを続けています。さらに退院予定の2日前に原因不明の酸素飽和度低下が見つかり、現在は夜間に在宅酸素療法を導入しています。
0歳の下の子も、生まれつき肛門の位置に問題がある「鎖肛」という症状のため、生後4日目に手術を受けました。退院後は穴が塞がらないよう毎日「指ブジー」という、指で狭くなった部分を広げる処置を行っています。
子どもたちの体調管理は生活の一部となり、わが家では医療的ケアが当たり前の日常になっています。
子どもたちが眠った後が、私の仕事時間
現在は不定期で在宅ワークをしています。
子どもたちのケアを優先すると、日中にまとまった仕事時間を確保することは難しく、仕事は家族が寝静まった夜に行うことがほとんどです。
その結果、どうしても睡眠不足になってしまいます。
それでも子どもたちのそばにいながら収入を得られる在宅ワークという環境は、私にとって大きな支えです。
夫の協力が、仕事を続ける力に
仕事を効率よく進めるために特別な工夫をしているわけではありません。
ただ、夫の協力は私にとって大きな助けになっています。
日々の育児やケアを一緒に担ってくれる存在がいるのは心強いことです。そのおかげで、安心して仕事に向き合える時間を作れていると言っても過言ではありません。
一方で、経済的な面では別の悩みもあります。浣腸の影響による頻回便があり、オムツの消費量がとても多く、出費もばかになりません。
在宅ワークは家計を支える大切な仕事
在宅ワークで得られる収入は決して多くありません。
それでも、少しでも働けばガソリン代やオムツ代になります。
その積み重ねが家計を支えていると感じられることが、仕事を続ける大きな励みになっています。
子どもたちがある程度自立したら外で働くことにも挑戦したいと考えています。しかし、今は子どもたちの状況に合わせて、無理のない働き方を続けることが私にとって一番大切です。
自分の時間も未来につながっている
忙しい毎日ですが、資格試験の勉強をしたり、動画を見たりする時間も意識して作るようにしています。家事や育児の合間のわずかな時間でも、自分のために使えると気持ちが切り替わり、限られた時間だからこそ有意義に過ごしたいという思いが強くなりました。
また、夫が休みの日には、家族で近くの公園に出かけたり、少し足を延ばして遠出をしたりすることもあります。子どもたちの楽しそうな様子を見ていると、「また頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてきます。
一人で抱え込まないことが心の余裕につながる
介護や医療的ケアを続けていると、「自分だけで何とかしなければ」と思ってしまいがちです。
でも、訪問看護や介護サービスなど、利用できる支援は積極的に活用してほしいと思います。外部の人と関わることは、気持ちに余裕を持つきっかけにもなります。
そして、相談できる人を少しでも多く作ること。
それが、介護や仕事を長く続けていくための大きな支えになるはずです。
また、介護が理由で十分に働けない家庭に対する助成制度がさらに充実すれば、安心して子どもと向き合いながら生活できる家庭が増えるのではないでしょうか。そのような社会になることを、切に願っています。
合わせて読みたい
病室からお届け!母と子の奮闘記〜1.はじまりは、小さな気づきから〜
https://ryouritsu.c-mam.co.jp/archives/person/844
隙間時間を上手に使って、介護と在宅ワークを両立
https://ryouritsu.c-mam.co.jp/archives/goods/1104
介護経験を活かせる仕事とは?向いている職種と働き方を解説
https://ryouritsu.c-mam.co.jp/archives/column/1154


