「家ではたらく」ことで見えてきた、介護と仕事

介護と仕事の両立は大変な挑戦ですが、雪笑さんは両親との時間を大切にし、柔軟な勤務体系に変更しました。また、パラレルワークを学び、収入の確保にも成功しています。家族と協力しながら自分なりの介護を実現しようとする彼女の取り組みには、どんな工夫があるのでしょうか。その方法について、詳しくご紹介します。

みわ(50代女性) 業務委託
要介護者:母(現在施設入居)


働きながら過ごす、母との穏やかな時間

在宅で校正や校閲の仕事をしながら、週に一度、特別養護老人ホームに入所している母のもとを訪ねています。
訪問した日は、母とゆっくり会話をしたり、歩行を手伝ったりしながら、穏やかな時間を一緒に過ごします。その短い時間は、今の私にとってとても大切なひとときです。

介護と仕事のはざまで、私が選んだ働き方

母が認知症になったのは、15年ほど前のことです。
父は健在でしたが高齢であったため、私が外で働きながら母の在宅介護を続けるのは難しい状況でした。
そんなときに出会ったのが、在宅でできるキャリアマムの仕事です。早めに在宅ワークへ切り替えたことで、両親の通院の付き添いや夕食の準備、急な救急搬送など、突発的な出来事にも仕事を休まず対応することができました。

優先順位と効率化が肝心。私の時間のつくり方

仕事は、できるだけ早く処理するように心がけています。「いつ何が起こるかわからない」という介護生活を送っているため、昼間は親のために動けるよう、夜に仕事をすることも多いです。
優先順位をつけ、効率よく進めることを意識しているおかげで、これまで仕事に大きな支障が出たことはほとんどありません。

両立の先に見えてきた、新しい挑戦への気持ち

在宅ワークを続けてきた中で、仕事をたくさんこなせたときには喜びを感じます。
そして最近は、母が施設でお世話になっていることもあり、「また少し外での仕事も始めてみようかな」という気持ちも芽生えてきました。
介護と仕事の両立を続けてきたからこそ、少しずつ前に進む力がついてきたのだと思っています。

音楽がくれる力。推し活は私の“生きる糧”!

仕事以外にも大切にしていることがあります。
それは、推し活です。

2020年に愛犬が亡くなり、続けて父も急逝しました。
大切な存在を立て続けに失い、生きる意味を見失ってしまいそうになったとき、長年好きだったバンドのライブツアーがありました。音楽に触れ、ライブの熱気を感じることで、少しずつ心が前を向き始めたように思います。

推し活は、今の私にとって“生きる糧”と言えるほど大きな存在です。日常で音楽を聴いたり、ライブに行ったりすることで、また頑張ろうと思える力をもらっています。

両立の経験から、未来の介護者へ届けたいメッセージ

母が家にいた頃は、認知症との向き合い方がわからず、優しく接してあげられないこともありました。でも、施設に入所してからは、私自身の心にもゆとりが生まれました。今は元気で長生きしてほしいと素直に思えますし、そのためにできる限りのことをしてあげたいと感じています。

ですので、同じように介護と仕事を両立している方には、早めに在宅ワークなど時間に余裕を持てる働き方に切り替えることをおすすめしたいです。
また、介護認定も早めに受けておくと、いざというときの負担が大きく違います。介護が必要になってから動くと時間もかかり、支援も受けにくくなってしまうからです。将来介護をする可能性があるなら、事前に知識を学んでおくことも、介護者自身を守ることにつながると思います。

そして、社会全体としても、介護休暇などの支援がもっと広がれば、仕事と介護の両立がしやすくなるのではないかと感じています。外で働きながら介護をしていると、急な事態で仕事を休まざるを得ないことも多く、それが離職につながってしまうケースも少なくないと思います。誰もが安心して介護と仕事を続けられる社会になってほしいです。

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